1級建築施工管理技士 第二次検定の効果的な学習方法
二次検定の出題形式はほとんどが記述解答方式です。
書いて覚える方法が重要な試験対策になります。
第二次検定の概要
- 受験者は提出期限内に受験願書を提出後、受験資格を審査されます。
- 1級の二次検定は毎年1回、10月に行われます。
- 合格発表は翌年1月に通知され、合格者は1級建築施工管理技士の資格が与えられます。
二次検定の出題形式は
- 総出題数は6問すべて必須問題です。
- 問題1~4は全て記述式解答。
- 問題5~6は五肢一択式解答(正答番号を選択して塗りつぶし)。
合格基準は
- 二次検定の合格基準は非公開です。
- 問題1の経験記述が未記載の場合は以下の採点はされず不合格となります。
- 合格の目安として、経験記述が合格内容である事が最重要です。
- 経験記述以外の学科記述は6割正答を目指して下さい。
試験の制限時間
★二次検定の時間配分と出題数
問題6問中6問解答)制限時間:3時間
※問題数は少ないが、論文作成や1問の解答数が多いので時間はタイトです。
出題分野と出題数
出題項目 | 詳細 | 解答区分 | 出題・解答数 |
---|---|---|---|
施工経験記述 | 品質管理・施工の合理化・建築副産物抑制 上記のテーマで、工事概要 |
必須問題 | 1 |
仮設・安全 | 必須問題 | 1 | |
躯体工事 | 必須問題 | 1 | |
仕上げ工事 | 必須問題 | 1 | |
施工管理法 | 必須問題 | 1 | |
法規 | 必須問題 | 1 | |
合計 | 6 |
建築1級二次検定対策のポイント
優先順位1
施工経験記述の作成に取り組む!
①まずは施工経験記述3テーマを事前に作成し、
②本番で書けるようになるまで「手で書いて覚え込む事」
経験記述の事前作成と暗記が合格への最重要対策です。
課題は毎年「品質管理」「施工の合理化」「建築副産物」の内、どれかが出題されますので、前年度に出題されたテーマも含め3課題は、予め自分が経験した施工経験記述を作成し、先輩や先生の添削指導を受けるようにしましょう。
★施工経験記述の記述解答が無記載、あるいはテーマと違った記述の場合、二次検定の採点が行われず失格になります。
施工経験記述
●工事概要の作成
(1) 工事名
建築の工事名には、必ず○○ビルまたは△△邸のような建物名称のわかる固有名詞のほか、新築、増築、改修、改築、修繕、模様替え工事等、工事内容がわかるように書く。
〔例〕
① 新宿ホールビル新築工事
② 新宿ガラス埼玉工場第2倉庫増築工事
(2) 工事場所
実例としてあげる建築工事が行われた場所の都道府県名、市または郡名および町村名を書く。また、埋立地など新開発地区は地区名を記述する。
〔例〕
① 東京都新宿区西新宿○丁目△番地
(3) 工事の内容
新築等の場合:
・建物用途、構造、階数、延べ面積又は施工数量主な外部仕上げ
・主要室の内部仕上げ
改修等の場合:
・建物用途、建物規模、主な改修内容及び施工数量
(4) 工期
●「平成○○年○○月~平成○○年○○月」などと月まで記述する。西暦で書いてもよい。
工事は完成していることが必要で、建物規模に比べて異常に長い(短い)工期は、理由がきちんとわかるようにしてください。専門工事部分を担当された場合には、「建物全体の工期(担当した工期)」のように併記するとよい。
●解答の記述において、施工時期と自然環境とが整合していることが必要
〔例〕
① 基礎工事が、梅雨時期であり作業が遅れた→工期は6月
② 寒冷地で気温が低く、温度補正が必要であった→工期は冬
(5) あなたの立場
発注者側の監督員、設計者側の工事監理者、請負者側の現場代理人、主任技術者、工事主任
●解答 経験記述文章のまとめ方
(1) 「実施した内容」「処置又は対策」
自身の施工経験において実際に実施した内容や講じた処置・対策についての解答を求める形式で、出題されている。
●実施した内容において留意したことや、工事概要であげた工事を施工した際の取組み内容やその理由を過去形で具体的に記述する。
●「処置又は対策を○つ記述しなさい」と指定されたり、理由等に関して個々に解答を求められる場合もあるので、解答欄において要求されている解答数や求められている事項をよく確認してから解答する。
●記述に際しては、教科書に書かれているような施工の一般的な留意点をあげるのではなく、必ず、事例にあげた現場固有の施工条件・施工環境に応じた工法、部位・部材等の名称や管理値等を具体的にあげて記述することを心がけてください。
(2) 「結果とその評価」
●「結果」の記述に際しては、実施した内容との整合性がとれているとともに、 「目標に対する結果・成果」「スムーズに進行したこと」「品質や性能の確保をきちんと確認したこと」などを具体的に記述する。
●「評価」とは、実施した内容の結果から、 「付加価値が生じたこと」「今後の仕事に活用できること」「工期の短縮や省力化が図れたこと」など、当初意図していた結果以外に、得ら れた効果などご自身の評価を記述する。
「結果とその評価」が、採点者にきちんと伝わる表現力が大切です。
(3) 「活動のあり方」「取組み」
設問に「工事概要であげた工事にかかわらず」とある場合は、工事経験に照らして、ご自身の考えを記述して下さい。
今後の活動のあり方や取組みなどについて、現在形(~を行う/~すべきである等)で具体的に記述してください。
経験記述以外の記述問題は「過去問題」に取り組む
経験記述以外の記述問題は、工程表の読み取り問題、間違いを訂正させる問題(穴埋め)問題、と留意・検討事項を記述させる問題が出題されます。
学習法は、徹底して過去問題の記述解答に取り組んで下さい。
問題2 仮説・安全
「仮設工事」と「災害防止」(安全管理)について、留意・検討事項を2つ記述させる出題が多い。
仮囲い・仮設物・排水経路・足場、桟橋の位置及び構造・作業員の転落、感電・落下物の危険防止・移動式クレーン・移動式足場・交流アーク溶接 など
問題3 躯体施工
下記の躯体工事より、文章中から間違いを訂正させる問題(穴埋め)と留意事項を記述させる出題が多い。
工事手順や用語・数値などの知識を暗記する必要がある。
・土工事・山留め工事・地業工事・鉄筋工事・型枠工事・コンクリート工事・鉄骨工事・その他
問題4 仕上げ施工
下記の仕上げ工事より、文章のアンダーラインの正誤を訂正させる問題と、留意事項を記述させる2タイプがあり毎年交互に出題される傾向がある。
工事手順や用語・数値などの知識を暗記する必要がある。
・防水・シーリング工事・タイル・石工事・内装・床工事
問題5 施工管理(工程)
建設工事のバーチャートを読み取る工程管理が出題されます。
作業名、工程準、各作業の所要日数、各作業の開始時・終了時・所要日数が書けるようになるまで取り組んでください。
問題6 関係法規
建設業法全般から条文の空欄を穴埋めする問題が多い。
法律の条文が出題されるため「建設業法」「労働安全衛生法」について法令集に目を通しておいて下さい。
・建設業の許可・建設工事の請負契約・元請負人の義務・施工技術の確保・建築基準法・労働安全衛生法 など