2級建築施工管理技士 第二次検定の効果的な学習方法

第二次検定の概要

新試験制度から変わる試験の流れ

  • 受験者は提出期限内に受験願書を提出後、受験資格を審査されます。
  • 二次検定は受験願書提出の際に予め種別(建築・躯体・仕上げ)の選択が義務付けられています(二次検定の選択問題は選択した種別(建築・躯体・仕上げ)を選択して解答しなければなりません)
  • 2級の二次検定は毎年1回、(後期一次検定と同時期)11月に行われます。
  • 合格発表は翌年1月に通知され、合格者は2級建築施工管理技士の資格が与えられます。
  • 2級施工管理技士の資格を取得すると、1級の受験資格有無に関係なく翌年に1級の一次検定を受験できます(二次検定は受験資格が必要)。
  • 2級建築施工管理技士合格者が1級一次を合格すれば1級技士補の資格が与えられ、(条件付きで)1級建築施工管理技士同様の現場の監理が可能になります。

二次検定の出題形式は

  • 総出題数は7問。その内の5問を選択して解答します。
  • 問題は必須問題4問(全問を解答)と選択問題3問(1問を選択して解答)があります。
  • 必須問題は全て記述解答、選択問題は語句や数値欄からを解答を選択します。

★選択問題は願書で選択した受験種別以外の問題の解答はできません(種別間違いに要注意)。

合格基準は

  • 二次検定の合格基準は非公開です。
  • 問題1の経験記述が未記載の場合は以下の採点はされず不合格となります。
  • 合格の目安として、経験記述が合格内容である事が最重要です。
  • 経験記述以外の学科記述は6割正答を目指して下さい。

試験の制限時間

★二次検定の時間配分と出題数
問題7問中5問解答 制限時間:2時間
※問題数は少ないが、論文作成や1問の解答数が多いので時間はタイトです。

二次検定の出題内容

出題
区分
問題 出題科目 種別ごとの出題内容 解答数 解答
区分
施工
経験
記述
問題1 施工経験記述 「施工計画」「品質管理」「工程計画」
の内1つのテーマ
工事概要
テーマに基づいた計画・行動・結果の記述
1 必須
問題
学科
記述
問題2 施工管理
用語の説明
建築関連用語の説明と留意事項 1 必須
問題
問題3 バーチャート
工程表
出来高表
バーチャート工程表の判読
出来高表の判読と計算
1 必須
問題
問題4 関連法規 関連法規語句の訂正
建設業法・建築基準法・労働安全衛生法
1 必須
問題
問題5 問題5-A
建築
★建築施工の文中の数値・語句の誤りを訂正 1 選択
問題
問題5-B
躯体
★躯体施工の文中の数値・語句の誤りを訂正
問題5-C
仕上げ
★仕上げ施工の文中の数値・語句の誤りを訂正
出題総数 総出題数7問 5 -

二次検定は経験記述が難問、実務経験と文章力が必要です

二次検定は、「施工経験記述」論文試験が中心で問題そのものが長文となり、2級建築施工管理技士の試験で最も難しいといわれている部分になります。

そのため、経験記述の論文は事前に3テーマを自身の工事概要に基づいて記述して置きましょう(早めに作成して暗記する期間を作ってください)。
そのためには記述した内容が「合格論文」として満たしているかどうかを経験豊富な第3者に判断を仰ぎ、意見や文章の添削を行うことが二次検定突破の近道です。

学科記述問題は、過去問題で問題内容を把握して、しっかりと対策を行いましょう。

施工経験記述作成のポイント

工事概要の作成

(1) 工事名

建築の工事名には、必ず○○ビルまたは△△邸のような建物名称のわかる固有名詞のほか、新築、増築、改修、改築、修繕、模様替え工事等、工事内容がわかるように書く。
〔例〕
① 新宿ホールビル新築工事
② 新宿ガラス埼玉工場第2倉庫増築工事

(2) 工事場所

実例としてあげる建築工事が行われた場所の都道府県名、市または郡名および町村名を書く。
また、埋立地など新開発地区は地区名を記述する。
〔例〕
① 東京都新宿区西新宿○丁目△番地

(3) 工事の内容

新築等の場合:
①建物用途、②構造、③階数、④延べ面積又は施工数量主な外部仕上げ、⑤主要室の内部仕上げ

改修等の場合:
①建物用途、②建物規模、③主な改修内容及び施工数量

(4) 工期

  • 「平成○○年○○月~平成○○年○○月」などと月まで記述する。西暦で書いてもよい。
    工事は完成していることが必要で、建物規模に比べて異常に長い(短い)工期は、理由がきちんとわかるようにしてください。専門工事部分を担当された場合には、 「建物全体の工期(担当した工期)」のように併記するとよい。
  • 解答の記述において、施工時期と自然環境とが整合していることが必要
    〔例〕
    ① 基礎工事が、梅雨時期であり作業が遅れた→工期は6月
    ② 寒冷地で気温が低く、温度補正が必要であった→工期は冬

(5) あなたの立場

発注者側の監督員、設計者側の工事監理者、請負者側の現場代理人、主任技術者、工事主任。

解答 経験記述文章のまとめ方

(1)「実施した内容」「処置又は対策」

自身の施工経験において実際に実施した内容や講じた処置・対策についての解答を求める形式で、出題されている。

  • 実施した内容において留意したことや、工事概要であげた工事を施工した際の取組み内容やその理由を過去形で具体的に記述する。
  • 「処置又は対策を○つ記述しなさい」と指定されたり、理由等に関して個々に解答を求められる場合もあるので、解答欄において要求されている解答数や求められている事項をよく確認してから解答する。
  • 記述に際しては、教科書に書かれているような施工の一般的な留意点をあげるのではなく、必ず、事例にあげた現場固有の施工条件・施工環境に応じた工法、部位・部材等の名称や管理値等を具体的にあげて記述することを心がけてください。

(2) 施工経験に照らした「活動のあり方」「取組み」

設問に「工事概要であげた工事及び受験種別にかかわらず」とある場合は、工事経験に照らして、ご自身の考えを記述して下さい。
今後の活動のあり方や取組みなどについて、現在形(~を行う/~すべきである等)で具体的に記述してください。

(3) 採点者にわかりやすく伝える記述にする(重要です)

  • 略字、くせ字、続け文字は避け、丁寧に書く事。
  • 文字が罫線や枠からはみ出さないよう指定の枠内に収める事。
  • 問題で求められたテーマと整合性が取れる記述であること。
  • 箇条書きで書くと簡単でまとめ易く、採点者にも伝わりやすい(推奨)。
    【例】
    テーマに対する現場環境の記述
    ・実施した内容①○○、②○○、③○○
    ・留意した事①●●、②●●、③●●
    ~まとめの記述で完了する
  • 経験記述文に注目しがちですが、工事概要も採点対象です、油断せず全て記述して下さい。

学習順位2
問題2~5

経験記述以外の学科記述問題は「過去問題」に取り組む

経験記述以外の学科記述問題は、工程表の読み取り問題、間違いを訂正させる問題(穴埋め問題)、と留意・検討事項を記述させる問題が出題されます。

★問題⑤の施工管理は受験種別で選択して解答します

  • 受験種別:建築は問題5-A
  • 受験種別:躯体は問題5-B
  • 受験種別:仕上げは問題5-C

それぞれ受験願書で申告した種別で問題を選択して解答してください(ご自身が申請した種別を間違えないで下さい)。

学習法は、徹底して過去問題の記述解答に取り組んで下さい。

問題2 施工管理用語

建築工事(躯体工事、仕上げ工事)に関する複数の用語の中から、指定された数の用語について、その説明、工事上の留意点などを記述する問題が出題される。

・仮設・コンクリート・内装・鉄筋・土・鉄骨・金属・タイル・木工・石・屋根・建具・塗装など躯体や仕上げに係る用語の中から指定数を解答する。

問題3 施工管理

  • パーチャート工程表の場合は.工程表を判読し工程の中の該当する作業名の記載、指定された作業の開始日、指定された時期の完成出来高の累計などの出題。
  • ネットワーク工程表の場合は、総所要日数の計算、遅延または短縮に伴うクリテイカルパス、フリーフロート、 トータルフロートの計算などが出題される。

※H29年、30年はバーチャート工程表が連続して出題されている。

問題4 関連法規

建設業法.建築基準法、労働安全衛生法.労働基準法などの法令の文章について、誤っている語句を指摘し、正しい語句を記入する問題が出題される。
毎年、「建設業法」「建築基準法」から1問づつ出題されている。
3問目は「労働安全衛生法」「建設リサイクル法」のどちらか1問出題されている。

問題5 建築施工(種別:建築・躯体・仕上げ)

  • 建築工事 問題5-A(建築は躯体/仕上げ混合)
  • 躯体工事 問題5-B
  • 仕上げ工事 問題5-C

願書で申請した受験種別ごとに問題を選択して解答する(種別を間違えない事)。
それぞれの工事についての文章中の語句の適・不適の指摘と適切な語句を記入する問題が出題される。

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